その498 無学生講義 2020.4.25
2020/04/25
毎年4月は学生に講義する季節だ。
年に一度ではあるが、少しずつ内容を改め、配布する資料を見ながら
事前に部屋でブツブツ言いながら予行をしている。
これをしておかないと、当然口をついて出てくるはずの専門用語が出てこなかったり、
間違いをしゃべったりするので、結構重要な準備だ。
私の講義はパワーポイントも使うが、プリントと板書が授業時間の過半を占める。
板書といっても黒板とチョークは既になく、ホワイトボードとマーカーである。
今年が例年と違うことはコロナウィルスの影響で、教室で聴く学生がいないこと。
多くの先生方は既に講義の内容をすべてパワポで説明し、配布資料もパワポをプリントしていたようだ。
今年はそれに音声を入れて、学生がそれにアクセスするのだそうだ。
私の場合はプリントの資料をパワポに直すにはかなり手間がかかる。
そこで、教室で無学生講義を行ってそれを録画する方式となった。
最初はガランとした教室でビデオカメラを相手に一人でしゃべること
に戸惑いがあったが、10分ほどしゃべると慣れてくる。
ただ、板書が少々ややこしかった。
私は配布資料には全部の内容は盛り込まない。
重要なことの一部は出席して聴いた人がゲットできるようにするべく、
しゃべりと板書の中に含めておく。
学生が教室で見ていれば広いホワイトボードをいっぱいに使って
書きなぐることができるが、録画の場面は小さい。
書く場所が変わってカメラがそれを追うと見にくいだろうから、
畳半分ほどのスペースに書いては消し、書いては消しを繰り返さざるを得ない。
そんなこんなで予定90分のところ、80分で講義を終わった。
いつもなら熱心な学生が数人質問に来るのだが、
「これで終わります。」と言えば今年はおしまい。ちょっと寂しい。
来年はたくさんの熱心な学生さんの顔を見ながら、こちらも新たな気合を入れて講義をしたいと思う。