トルコ風

2009/09/07

土曜日、出勤前にテレビを見ていたら、
長崎でよくあるというトルコ・ライス、あるいはトルコ風ライスの番組があった。
これは、元祖トルコ風ライスの先代さんが、外国人から聞いたメニューだそうで、
トルコで作られるサフランライス(と言われてもよくわかりませんが)を参考に、
平たく言えばピラフとトンカツとスパゲッティナポリタンの盛り合わせ
ということのようである。

 

翌日の日曜日、運転していたら、ラジオからモーツァルトのピアノソナタが流れてきた。
有名な曲で、最初の第一楽章は変奏曲形式であり、短い第二楽章をはさんで、
第三楽章はトルコ行進曲というやつである。
モーツアルトの生きた当時、トルコ皇帝がヨーロッパを訪問する際には、
必ず楽隊を連れてきてトルコの音楽を演奏した。
それが当時のヨーロッパの人々には耳新しく、とても流行したそうだ。
ちなみにベートーヴェンもトルコ行進曲を書いている。

 

一般的によく聴かれるトルコ行進曲、私自身も中学生の頃練習したこの曲は、
モーツアルトの作品だから「流麗によどみなく」をモットーに、
速いテンポで最初から最後まで真珠玉の転がるように演奏すべし、であったと思う。
しかし当時トルコ趣味が流行したという解説を聞くと、
そういえば最初の左手はブン、チャッ、チャッ、チャッの繰り返しで、
ちっともモーツアルトらしくないことに気づく。

 

この日のラジオの演奏はマリア・ジョアン・ピレシュという女流ピアニスト。
彼女の演奏は人が歩く程度のテンポで、
出だしは遠くから武骨な異国の楽隊が近づいて来るように聴こえ、
楽隊が目の前を過ぎる時は、大音量で派手に太鼓を鳴らして通って行くイメージが浮かぶ。
モーツアルトが作曲した当時は、このようにトルコ風に演奏するのが普通だったのだろう。
そのために「トルコ風に」という標題が付いている。
現代のコンクールでピレシュ女史のように演奏すると、どう評価されるのだろうか。

 

トルコ鞍(あん)という部分がヒトの体にあり、脳下部の下垂体を入れる骨のくぼみを言う。
英語ではTurkish saddle, 解剖学のラテン語ではsella turcicaである。
頭のレントゲン写真を横から撮ったとき、
ちょうどカタツムリが下向きになったような丸いくぼみで、
これが拡大すると下垂体の腫瘍が疑われる。
恐らくこのくぼみが、トルコ風の鞍に似ているので名付けられたのだろう。
誰が、いつ頃命名したのか、調べているがまだわからない。


コメント

日本で言う和式トイレをフランス語ではトルコ式と言うそうです。
トルコの汎用性、おそるべし。