友あり、遠方より来たる

2016/11/06

初めて入った居酒屋でのこと。
近くに座った男性は、ブログで食レポをする方のようだ。
カツオのたたきが運ばれてくると、小さなカメラを取り出して写真を撮る。
パッドのコンピューターも取り出して、何やら文章を打つ。
なかなか食べない。箸で挟んだ写真も撮る。
自撮りだから、箸とカメラの両刀使いはちょっと難しそう。
早く食べてくれないかなあ。そう思っていると、一口食べた。
即座に「大将、めちゃくちゃ旨いっス。」
ってホントかい、と思ったことだった。

 

それから2週間ほど後のこと。
大学時代の友人が高知に来るという連絡があった。
当直などで、一晩しかお付き合いできなかったが、
彼からリクエストのあったモクズガニ(高知ではツガニという)を、食事の店に頼んでおいた。
店で出されたカニは、特に見栄えが良いわけではないが、
ゆでられて赤い甲羅の内に独特の味噌があり、
ハサミやアシの肉はあっさりしているものの、尾を引くうまさがある。
二人とも旧交を温めつつも、カニに夢中で会話がほとんどない時間がしばらく流れた。
カツオなどの刺身をはさんで、ツガニそうめんの登場。
これもコクがあって絶品だった。
やはり、食べ物は出されて間をおかず、熱いうちに食べるに限る。
近年ツガニの人気が上がり、資源保護のため12月から夏ごろまで禁漁になるという報道が、つい先日新聞であったばかり。
今年のシーズンも終わりに近く、良いタイミングで食べられた。

 

遠来の友は、彼の地元の日本酒を土産に持って来てくれていた。
重いのにわざわざ済まないことだ。
せっかくだから、とカニと刺身を食べながらこの日本酒をいただいた。
東北地方の豊潤な味わいの酒で、冷で飲むと後口もよく、あっという間に空になってしまった。
彼には27年前、私の結婚披露宴の際に高知に来てもらい、今度また来てくれた。
今度は、私が彼の地元に行く回りだが、
リタイヤ生活にならないと、まず行けないのではないか、と思われる。
それまで元気で待っていてくれ。


コメント

彼と話していると、 東北地方の家庭の介護力は素晴らしいものがあるようで、 在宅専門のクリニックにも、その中で専門特化があるそうです。
勉強になりました。